日本伝統鍼灸学会 広報部

「視覚障害者支援委員会」



各研修会の視覚障害者向け実技ビデオがあります 支援委員会の開催日程と内容、参加方法について   日本伝統鍼灸学会50周年記念誌、点字データ

自分自身での検脉をしている写真  鍼灸術は、見たり聞いたり問いかける診察(望診・聞診・問診)と合わせて、触れることでの診察(切診) をより重視しています。そして鍼をすることにおいては何ら支障がないということで、日本の視覚障害者には古くから鍼灸術へ携わることができました。日本の視覚障害者は、世界でも類のない恵まれた環境にあると言えます。左の写真は自分で自分の脈を触り検脈をしているところであり、触診に視力は関係ありません。
 日本鍼灸が誇る柔らかな刺鍼が容易に実現できる「管鍼術」は、江戸時代の視覚障害者だった杉山和一(すぎやまわいち)が発明したものです。杉山和一が五代将軍綱吉の難病を治療した功績から、全国に養成所を設立して視覚障害者の職域を確立してくれました。
 この大切な視覚障害者の職業を守り育てることと、鍼灸業界全体の発展の一つの形になるため「視覚障害者支援委員会」が設置されています。それぞれの研修会の枠組みを超えての集まりを持っているのはこの委員会だけであり、実技交流を開始しています。 youtube 委員長による趣旨説明 2021年08月08日

脈診をしている写真1   腹診ををしている写真   足の触診をしている写真


 おそらくですが鍼灸という技術は、ユーラシア大陸東側のそれぞれの地域で行っていた原始的医療がお互い交流をすることで、次第により有益なものへと洗練・集約されてきたものなのでしょう。左の写真は脈により様々な全身の情報を瞬時に把握できる脈診、これが鍼灸における一番の独自診察法です。中央の写真は脈診に劣らぬ情報量が得られる腹診、右の写真は末端の触診も大切にしているということで足の触診をしている場面です。

あぐらの状態で背項診の写真   腹部に刺鍼をしている写真   別角度から脈診をしている写真


 委員会の大きな仕事は学術大会でのガイドヘルパー準備や点字プログラムの作成、学会誌のテキストデータ配布などですが、委員会の時間はほぼ実技で運営されています。盲学校を中心に入門講座的な視覚障害者を基準とした実技指導も行っています。技術伝達は「手から手に」であり、入門講座ですから晴眼者の参加も歓迎しますし、まだ伝統鍼灸学会に入会されていなくてもゲスト参加は無料でできます。 鍼灸経絡研究絋鍼会による腰痛治療 - YouTube   元日本伝統経絡鍼法会の吉田先生による実技公開 - YouTube
 2021年08月08日の本格的になった実技交流第一回は、北辰会より外部講師をお招きして一人ひとりの手を取ってもらいながら一般的な診察に加えて北辰会方式の実技も手ほどきしていただきました。左の写真はあぐらの状態にすることでよりきめ細かく背項診(はいこうしん)ができる写真、中央は診察結果から腹部へ刺鍼をされている写真、右は再び脈診をしている写真です。この日の文については著作権の関係で実技中の動画はありません。代わりに最後の挨拶を。 第1回実技交流を終えて、尾崎講師よりの言葉 - YouTube   これからの実技交流について - YouTube


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